- 仮想通貨と暗号資産は聞いたことあるけど何が違うのかよくわからない…
- 仮想通貨ってそもそも何だろう?日本円やビットコインと違うのかな…
- 初心者が知っておくべき仮想通貨に関するルールや法改正について教えてほしい!
こんな疑問にお答えします。
仮想通貨はまだ歴史も浅く怪しい一面がある一方で、法整備も進み着実に世の中に浸透してきています。
また今後テクノロジーの進化とともに加速的に需要は高まっていくため、今のうちに知っておいて損はありません。
この記事では、仮想通貨と暗号資産の違いや仮想通貨に関する法令をわかりやすく解説しています。
本記事を読めば、仮想通貨と暗号資産に関する疑問が解消でき、必要最低限の法律も分かるので、ぜひ参考にしてみてください。
仮想通貨と暗号資産の違い
暗号資産と仮想通貨は呼び方が違うだけで同じものです。
令和元年6月の資金決済法改正により、法律上の呼称が「仮想通貨」から「暗号資産」に変更になりました。
法改正により暗号資産へと名称が変わりましたが、一般的にはまだ仮想通貨の方がなじみがあるでしょう。
ただ時間の経過とともに徐々に「暗号資産」が浸透していく可能性は高いです。
なお暗号資産と仮想通貨どちらの呼び方でも特に問題はありません。
仮想通貨と暗号資産が同じものであることは理解しておきましょう。
>>【意外と知らない】仮想通貨のメリットとデメリットを解説|3つのポイントとは?
なぜ暗号資産に変わったの?
仮想通貨から暗号資産へと改められたのは、実態に近くわかりやすい形にするためです。
「仮想」という言葉があることで、実際には存在しないものと誤解を生む恐れもあります。
仮想通貨の実態はトークンと言われる暗号データであり、物理的なものは存在しません。
また日本円などの法定通貨と混同を避けるため、「通貨」ではないことを明確に示すためでもあります。
通貨発行権は国の重要な権利の一つであり、日本円以外に通貨が存在すると誤解されては困るからですね。
暗号資産への変更理由は、仮想通貨が暗号データかつ通貨ではないことを表すためです。
>>【未来のお金?】仮想通貨とは何かをわかりやすく解説|初心者脱却
仮想通貨と法定通貨の違い
結論から言うと、管理者がいるかどうかの違いです。
主な仮想通貨は特定の管理者がいない分散管理体制になっています。
具体的にはブロックチェーンという分散型台帳のしくみによって、利用者全体で不正を監視しているイメージです。
実際はマイニングという取引の確認作業を行う人がいて、仮想通貨の売買を承認しています。
テクノロジーの力を使うことで不正も起きづらい構造のため、安心といえるでしょう。
一方で、円やドルなどの法定通貨は特定の管理者(国)がいることで、通貨の価値が保証され責任の所在が明確なのが特徴です。
仮想通貨とビットコインの違い
ビットコインは仮想通貨の一つにすぎません。
仮想通貨はビットコインを始めとする多くの通貨の総称だからですね。
ビットコインは歴史が長く取引量も多い一番メジャーな仮想通貨といえるでしょう。
ビットコインは価値を維持するため発行上限枚数(2,100万BTC)が決まっています。
発行ペースも決まっており、すでに90%以上の約1,920万BTCが発行済みです。
2140年頃までに上限に達すると言われており、それ以上に発行されることはありません。
>>【初心者も安心】仮想通貨はビットコインからが最適な3つの理由|ランキング第1位
仮想通貨に関する日本の法律
①利用者を守る(資金決済法)
資金決済法は仮想通貨投資の根幹となる法律です。
仮想通貨の取扱いや位置付けを明確にしているからですね。
例えば2019年の資金決済法改正により、仮想通貨の名称は「暗号資産」になりました。
また、仮想通貨取引所に対して利用者の資産保護を徹底する記載も新たに盛り込まれています。
これを受け各取引所は利用規約などの見直しを行っているところです。
私たち利用者にとっては、より安心して仮想通貨を利用できる環境が整ったと考えていいでしょう。
法整備も進んだことで、仮想通貨は「危なそうな投資」から「真っ当な投資」へと変わりつつあります。
今後の法改正によっては、さらなる仮想通貨の普及に弾みがつくもしれません。
(利用者の保護等に関する措置)
第六十三条の十 暗号資産交換業者は、内閣府令で定めるところにより、暗号資産の性質に関する説明、手数料その他の暗号資産交換業に係る契約の内容についての情報の提供その他の暗号資産交換業の利用者の保護を図り、及び暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
資金決済に関する法律 第三章の二 暗号資産
>>【やめとくべき?】仮想通貨が危険な理由とリスクから守る方法を解説
②税金を集める(所得税法)
所得税法は仮想通貨で得た利益の所得区分を定めている法律です。
仮想通貨による利益は雑所得となり、給与や事業所得と合算した金額に課税されます。
所得が増えるほど税率も上がっていく仕組みです。
仮想通貨に関しては租税特別措置法に規定がないため、所得税法のみの適用となります。
Q:暗号資産取引により生じた利益は、所得税法上の何所得に区分されますか。
A:暗号資産取引により生じた利益は、所得税の課税対象になり、原則として雑所得に区分されます。
暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ) P12
一方で株式投資による利益は譲渡所得となり、給与所得などと分離されて課税されます。
租税特別措置法により特例が設けられているからです。
そのため株式投資は利益額の大きさにかかわらず税率は変わりません。
(一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)
第三十七条の十(抜粋)
一般株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得については、他の所得と区分し、政令で定めるところにより計算した金額に対し、一般株式等に係る課税譲渡所得等の金額の100分の15に相当する金額に相当する所得税を課する。
租税特別措置法
③利用を促進する(租税特別措置法)
今後改正が見込まれるのは、仮想通貨の税金に関する租税特別措置法です。
具体的には総合課税から分離課税への変更ですね。
- 総合課税と分離課税
- ・総合課税
各種の所得金額を合計し総所得金額を求めて税額を計算し、確定申告によりその税金を納める
・申告分離課税
一定の所得は他の所得金額と合計せず分離して税額を計算し、確定申告によりその税額を納める
(引用)申告分離課税制度(国税庁)
法改正が実施されれば、仮想通貨投資で得られた利益が株式投資と同様の取扱いになるかもしれません。
税制が変われば間違いなく仮想通貨への投資は進むでしょう。
つみたてNISAの拡充からも分かるように、政府は貯蓄から投資へ国民を後押ししたいと考えています。
また国の成長戦略として最先端テクノロジーを活用したWeb3推進も掲げているところです。
Web3の促進には仮想通貨は欠かせないため、政府としてもその普及を拡充せざるを得ない状況になるでしょう。
つまり税制見直しは必至であり、近いうちに法改正が実現される可能性が高いといえます。
>>【もう遅い?】これから仮想通貨を始めるべき3つの理由を解説|まだ間に合う!
まとめ:仮想通貨と暗号資産は同じもの
最後にもう一度記事の内容を振り返ります。
- 仮想通貨と暗号資産は呼び方が違うだけで同じ
- ビットコインは仮想通貨の一種で法定通貨ではない
- 仮想通貨に関する法律は資金決済法と所得税法
仮想通貨はまだ歴史も浅く今後どのような道をたどるのか分かりません。
ただ法整備も進んでおり少しずつ世の中に浸透しているのも事実です。
テクノロジーの進化とともに、今後加速的に需要は高まっていくものと考えられます。
時代に乗り遅れたくない、あの時やっておけばと後悔したくない人は、まずは小さく始めてみましょう。